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●スレーン城での凱旋ライブ、待望の日本版DVD発売! |
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■1 Elevation | ||
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■2 Beautiful Day | ||
スレーン城が浮かび上がり,Bonoの声が空に響き渡る。 夜ではあるが,天気と自然に恵まれ,まさに"It's a Beautiful Day"なのである。 ここで,メンバーの衣装に注目してみると,この日のEdgeのTシャツのナンバーは,7である。EdgeはしばしばLiveを行う地元のスポーツ界の有名選手の背番号に因んだTシャツを着ているが,この7という番号が,アイルランドの有名選手に因んだかは不明である。 Bonoの衣装は,いつもながら格好良いのか悪いのか,判別しにくいスタイルである。"Bonoならでは"と言うべきか。黒地にオレンジのジャケットとパンツ。このDVDのジャケットの色であることは,単なる偶然だろうか。。。 AdamとLarryの格好は、独自のスタイルを貫いているというか,いつもながらクールである。 もしピーコがチェックしたとするなら,Adamに一番をあげるかもしれない。 |
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■3 Until The End Of The World | ||
曲の冒頭,Edgeのギターに電気ショックを受けるBono。 Zoo TVの頃から変わらぬパフォーマンスが見られる。 Bonoのステージにおけるスタイルは変わっているようでいて,ちゃんとツボは押さえてくれているのである。 Bonoが牛になってEdgeと格闘するのもお約束である。 最後倒れ込んだBonoが,「はぁはぁ」と息があがっているのは,「中年オヤジ」の頑張りと言うかご愛敬というものであろう。 |
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■4 New Year's Day | ||
この曲から,Bonoはサングラスを外して歌う。 サングラスを掛けて歌うようになった90年代から,80年代への立ち帰りである。 Bonoは本能的に知っているのである。 この曲はサングラスを掛けて歌う曲ではないことを。 そして,アイルランドの国旗をまとうBono。 故郷に住み,故郷を大切にしてきたU2だからこそ,Bonoが身にまとって絵になるのだろう。 Bonoは言う。"Close your eyes. Imagine..." 目を閉じると,白旗を掲げ馬に乗っている若きU2の姿が,思い浮かぶ人もいるだろうか。 この曲のプロモ撮影時,Edgeが馬に乗れなかったために,代わりの人が乗っていたことは,割と知られたエピソードである。 |
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■5 Out Of Control | ||
このLiveのハイライトとも言える,感動的なBonoの話が聴ける。20年以上経っても,U2は原点を見失っていないことが分かる。 エネルギーが余り過ぎ,ステージを所狭しと動き回っていた20数年前。Bonoはスピーカーの上に登り,Edgeは長髪をなびかせ,Adamは弾くたびにポーズを決め,Larryは苦しそうに一生懸命叩く。 Bonoはまさに"Out Of Control"な状態で,皆少し青くさかった当時と比べて,随分スマートになった感じはする。しかし,U2は良い意味で変わっていないし,改めて曲の良さを感じさせてくれるのである。 Bonoに肩を抱かれて,はりきっているAdam。 Adamの"はにかむ"ような笑顔がステキである。 |
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■6 Sunday Bloody Sunday | ||
Bonoは言う。 "Push Hands to the air." 「手を空にかざすんだ。」 そして,オマー爆破事件の犠牲者を悼み,こう叫ぶ。 "No More"「二度と起こしてはならない。」 血の日曜日事件に限らず,パレスチナ問題などに対しても,叫びたくなる一言である。 オマー爆破事件とは,1998年8月15日,北アイルランドの街オマーで,カトリック系のReal IRA(真のIRA)が起こした疑いの濃い,悲惨な爆破テロ事件である。 IRAの中でも過激派と言うべきReal IRAが起こしたとされるこの事件により,主にプロテスタント系の住民29名が死亡,多くの者が怪我をした。 Bonoは,この29名の犠牲者の名を全員あげることで,あまりに多くの命が無惨に奪われたこと,二度とおこさないで欲しいという願いを,観客に訴えているように思えるのである。 |
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■7 Wake Up Dead Man | ||
犠牲者を悼むBonoの歌声が,胸に沁みる。 「POP」制作時,Pearl JamのEddie Vederが曲を聴いて,アルバムに入れた方が良いと言ったというのは、割と知られた話であるが,U2がこの曲を歌い続けているということは,Eddieの判断は正しかったと言えるだろう。 Michael HutchenceやBobを亡くしたり,Bonoは辛い別れを経験しているが,この曲を歌いながら、死者と語り合っているような気がするのは,気のせいであろうか。 |
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■8 Stuck In A Moment You Can't Get Out Of | ||
曲の冒頭,Bonoのファルセットが心地よい。 Bonoは90年代からファルセットを多用するようになったが,そのことがBonoの歌の幅を広げてくれた気がするのである。 シドニーで行われたZoo-TV Live においてBonoがマクフィスト姿で歌った,"Can't Help Falling in Love"は,その好例である。 かわって,曲の最後にEdgeとBonoの2人の掛け合いがあるが,ここではEdgeが,魅力あるファルセットを聞かせてくれる。U2はツインボーカルとまでは言えないものの,Edgeの歌声があるからこそ,曲がより輝くのではないだろうか。 |
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■9 Kite |
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Bonoが亡くなった父のBobに捧げた曲である。 Bonoは言う。 "Communication", "Talk each other", "Big idea" まるで天国へと旅だったボブと会話しているような,Bonoの顔が印象的である。 |
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■10 Angel Of Harlem | ||
BonoとThe Edgeが視線を交わし笑いあい,肩を組んで歌うシーンを見ると,変わらぬ友情を感じさせてくれる。 ファンがU2に対して特別な思いを持つ要因の一つに,メンバーが不変で仲が良いことがあるのではないかと思われる。 4人の内,1人欠けても"U2"ではなくなってしまうのである。 内部がぎくしゃくしているバンドの演奏を見ても,そこから魔法を感じることは難しい。 Harmonyとは調和であり,メンバー間の信頼が厚いからこそ,U2の奏でる音はハーモニーとなり,魔法となるのだろう。 |
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■11 Desire | ||
4人がステージ前面に出てきて演奏する,ファンにとってはありがたい,恒例の演出が見られる。 普段は後ろに控えているAdamとLarryの演奏ぶりと表情が,たっぷりと見えるのである。 この2人のリズム隊は,映画"Mission Impossible"のテーマ曲を担当したことでもよく知られているように,最強のリズム隊と言って良いだろう。 2人のうちLarryは,バンド結成の一番の功労者と言えるだろう。もしLarryが学校の掲示板にバンドメンバー募集しなかったとしたら,今のU2は存在しなかっただろうから。 最近では,"Electrical Storm"のプロモで,Larryファンの女性の心拍数を急上昇させたと言われる,迫真のラブシーンを展開してくれている。シャイなLarryも40歳になって開眼したのか。今後が要注目である。 Adamは今やすっかり落ち着いた観があるが,昔は暴れん坊だった。少年時代には,学校を放校になったり,ヒッピー風の格好をしていた。そしてU2の中では一番セレブな生活を送り,大物ぶりを発揮。モデルのNaomi Campbellと結婚直前まで行った。そんなAdamの"大物"ぶりは,Achtung Babyのジャケットでも確認できる。 |
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■12 Staring At The Sun | ||
この曲は,Pop Mart Tourの最初のころは,アルバムに近い音で4人で演奏していたが,Liveではタイミングが合いにくかったようで,中断するハプニングも起きた。 そのため,BonoとEdgeの2人が中心のアコギスタイルに変わって,長いこと続いている。そのことは,曲の良さをシンプル&ストレートに感じさせてくれることに繋がって,結果的に良かったのではないだろうか。 U2の曲の良さは、アコギでシンプルに演奏した際,よりストレートに胸に迫ってくるのは,決して錯覚ではないだろう。 2人のハモリ具合が素晴らしい。 最後,肩を抱き合ってお互いを称える微笑ましい一場面が見られる。 |
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■13 All I Want Is You | ||
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■14 Where The Streets Have No Name | ||
この曲のライブ版は特に,いつ聴いても全身を貫く高揚感を与えてくれる。これほど強い魔力を持った曲は,この世にそう多くはないだろう。 この曲を普通に楽しんでも勿論良いが,知らない方のために別の楽しみ方をご紹介。 PCで見られるお得な機能として,曲の演奏中360°見渡せる機能が付いているが,ステージを駆け回るBonoが,意外な高速移動をしていることが分かる。 走るBonoを体感したければ,是非ともお勧めである。 |
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■15 Pride (In The Name Of Love) | ||
8万人の"Oh, Oh Oh Oh"が聴ける。 1998年の東京ドーム公演では,途中で声が小さくなってしまうなど,残念なこともあったが,Slaneの8万人は手を挙げつつ合唱しているようである。 ステージからカメラを引いていくシーンがあるが,やはり相当な人数である。 Slane城付近は電車で行くこともできないため,100台以上のバスが運行したらしいが,参加者によると待たされたりと大変だったようである。 Slaneの当日は,U2をトリとしてMobyやNelly Furtado,Ashも演奏をしたので,U2をハートの外側最前列で見るためには,数時間も動かずにいる必要があったようである。 また,チケットチェックが2重3重にあり,偽造のチケットを掴まされて苦労した人もいたようである。 この巨大なSlane Liveを実施するために,アイルランドの議会で討議されるなど,実施面でも苦労があったようである。 そんな様々な人々の数々の苦労を乗り越えて,U2は観客と一つになるのである。 Bonoの感謝の言葉に対して,ファンも感謝の声援で応えているように感じるのは,U2からGreat Lifeをもらった人間が,確かに存在するからであろう。 |
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■16 Bullet The Blue Sky | ||
このLiveから10日後,世界は一変する。 9.11アメリカ同時多発テロが起こったからである。 U2の発する警告。 口では「正義」を唱えつつ,侵略という「不正義」を行う者に対しての警告は,今でも有効である。 そして,その追従者たちも同様である。 "Outside is America"であり,"Into the arms of America"になっているのである。 |
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■17 With Or Without You | ||
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■18 One | ||
曲の始まる前,BonoはU2の5人目のメンバーとも言われるマネージャーのPaul McGuiness への感謝を述べている。 20年以上前,まだ演奏もおぼつかなかった頃からU2と共にいて,ここまで引っ張ってきたPaulの功績は,巨大なものがあるだろう。 またBonoは,曲中で自分の兄Normanのことを歌っていると思われる 。 "My sisters"は複数形なのに対し,"My brother"と単数形で歌っているのである。 NormanはBonoとは少し歳が離れており,顔の作りも多少異なっている。 Normanはダブリンで,1998年にNUDEという"環境系スープカフェ"とでも呼べるファーストフードのチェーン店を始めた。味はまぁまぁであったが,少し値段が高かった印象がある。NUDEが日本にも進出するようになったら面白いが,その日は来るのだろうか。 Bonoの家族と言えば,父親BobはOneのプロモに出演している。スクリーンに映し出されていたのは,バッファローの映像であったが,Bonoは歌いながら,Bobの死を追悼していたのかもしれない。 演奏中,Edgeのギターを上下に振ってビブラートさせている奏法が見られる。真似すると,Edgeになった気分が少し味わえるのでお勧め!? |
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■19 Walk On | ||
Elevation Tourのトリを飾るに相応しいナンバー。 曲の合間にLarryの横に置かれたセットリストがちらっと見えるが,最後の曲は"Walk On"である。 ラストの曲ではあるが,それは決して終わりではない。 U2の姿勢を象徴しているかのような,Walk onのメッセージ。 スクリーン一杯に映し出される歌詞。 Hallelujahの歌声。 それらが一つとなって響き渡ると,生きる元気をもらえた感じがするのである。 人生様々な困難があっても前向きに歩き続けることの大切さ。 それがU2がくれたファンへのメッセージであろう。 このSlane Liveは,U2の20年以上のキャリアをまとめ上げたような,とても象徴的で貴重なLiveであったと言えるであろう。 |
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Bonus Materials: 【付】Mysterious Ways | ||
この曲のLive演奏で魅力なのは,何と言ってもベリーダンサーである。 そしてこのステージでは,とても可愛いらしいダンサーが踊ってくれる。 Bonoの次女Memphis Eveが途中から登場するのである。 少し恥ずかしがりながらも,笑顔を浮かべて踊る姿はとても微笑ましい。 顔はどちらかと言えば,Bono似と言えるのではないか。 過去に"Mysterious Ways"で踊っていたEdgeの奥さんMorleighに指導を受けたのかもしれないと想像すると,楽しく思えるのである。 因みに,Bonoの4人の子どもは,長女Jordan,次女Memphis Eve,長男Elijah Bob Patricious Guggie Q,次男John Abraham である。 長男の名前は,ファンの間で話題となったが,愛称を付けるとしたら,やはりQちゃんであろうか。 将来U2のメンバーの子どもたちで,バンドを作ることがあったら面白い。勿論,Memphis Eveには,ベリーダンサーとして踊ってもらおう。 |